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【BL感想】『いろいろつれづれ』(草間さかえ・著/大洋図書)

トーミくんのこと

私は草間さかえ先生のBL作品が大好きなのですが、CRAFT・100号掲載の『いろいろつれづれ ~推しの恋~』も、めちゃめちゃ楽しませていただきました!

◆CRAFT・100号◆ 

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『いろいろつれづれ』は草間先生のエッセイ漫画
今も連載中なのか私には「?」なのですが、現在、単行本が1冊、出ています。

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「推しの恋」は『いろいろつれづれ』の中の1篇(「何話目」なのか、番外編なのかは、不明。←すみません!)。
…ということで、まずは『いろいろつれづれ』の感想からはじめますね。

こちらの作品、先生のいろいろな思い出話がメインなのですが、先生のお好きなBL設定の解説用?に2組のBLカップも登場します。

この彼らの物語が私はとっても好なんですよ。
エッセイ漫画にちょこちょこっと登場するだけなので、当然、彼らに割かれるページ数は少めです。
でも、その限られたページ数の中で、それぞれのカップルの関係性がきっちり描かれていて、すごく読ませるストーリーになっているんです。
さすが短編の名手、草間先生!!
(あっ、先生の長編も大好きですが)

ここでまずは2組のBLカップルの人物相関図をご紹介。

それぞれのカップルについて解説しますと……
メインのカップルは、義孝くん(童貞犬攻・自分がゲイと勘違いしている)と須藤くん(ノンケだけど特殊性癖の受)。
彼らの日々の会話は、ああだこうだ言い合いながらも、結局、じゃれ合ってる感じで、とっても微笑ましい。
馬が合う2人が、気がついたら恋人同士になってたって感じ。

もう1組は、義昭くん(ノンケ。義孝くんとは一卵性の双子)とトーミくん(ゲイ)。義孝くん×須藤くんのカップルも大好きですが、「萌え度」でいったら、こちらの2人ですねかね、やっぱり……(ごめんね、義孝くん💦)。
義昭くんとトーミくんは高校の同級生で、親友同士なんですが、トーミくんは義昭くんに片想いをしています。
一方の義昭くんは、そのことにまったく気付いていない(「意識」の上では)。
でも、「無意識」のところでは、2人の関係に「何か」を感じているっぽい……。

この「親友に片想いするゲイと、それに気づかないノンケの親友」っていうのが、私は萌えるんですよね……。
それから、ノンケ君が、自分でも気づいていないけど、ゲイ君に惹かれていて、ときどき微妙な雰囲気になる2人……っていうのも、萌えポイントでして…。

この微妙な関係を、切なくなるような言葉と表情で、草間先生が描写してくださっているシーンがあって、私はその箇所が大好きで、何度も読み返してまして……。
百聞は一見に如かず(…って微妙に使い方が違う?)で、ビジュアルでそのシーンをご紹介するのが一番なのですが、著作権とかあると思うので、セリフを引用させていただきます。以下、義昭くんのセリフです。

いつも結構近くにいたけど
触っていたのは俺の方からだったんじゃないかな
なんかトーミって 触ったら、いつも 動きが一瞬、表情とかも 止まって
そのあと俺のこと見て笑うから
いつも俺にだけそうだから
何かそれが 面白くて

好きな人が触れてくれた瞬間の、自分でもコントロールできない咄嗟の表情。
言ってみれば、その人の「素」の表情。
その表情を目にした相手は、たぶん想定もしていなかった「その人」との遭遇。
こんなとき、「その人」は自分にとって「特別な人」に変わっていくのかも…

義昭くんは、自分だけに見せてくれるこの表情が見たくて、自分から何度も触れていたっていうんだから、本能のところで、すでにトーミくんに「特別な感情」を持ち始めていたのかな~。

にしても、自分だけにしてくれる反応が面白くてって、義昭くん、とんでもない性悪男だよね!💢
トーミくんも、そのたびにどう反応していいものか、困っただろうね……。
そんな性悪・義昭くんに恋愛感情を持ちながら、「友達」でい続けること選んで、その感情に蓋をし続けるトーミくん
ああ、けなげ……。

でもまあ、こんな性悪男?にも変化の兆し…というか、ようやく自分の中の無意識の恋心に気づくときが来るんですよね。
きっかけは、義孝くんと須藤くんと3人で飲んだときに、2人の「あ・うん」の呼吸のやりとりを目にしたこと。
それで、「男×男」という関係の心地のよさ?に、どうやら気がついてしまったらしいのですよ。

開けてはいけないパンドラの箱か?
それとも、幸福へのパラダイムシフトか?
(100%、後者でしょう!!)

そして、そこに現れるトーミくん。
(↑「何か」に勘付いた須藤くんが、「ここ呼べば」と誘ったわけで…)
トーミくんを目の前にして、義昭くんの中で、高校時代から2人の間にあった「何か」がじわりじわりと明確になっていくのです。

…というわけで、単行本では、2人の仲が進展していることを匂わせつつ終わります。

そして、その後、どうやらトーミくんの恋は成就したらしい!
(よかったねーー! トーミくん!!)

冒頭で紹介した「CRAFT・100号」掲載の『いろいろつれづれ ~推しの恋~』では、2人のラブラブぶりが語られています。
…本当はその感想を書くつもりだったのですが、気がついたら『いろいろつれづれ』の単行本の感想を長々と書いてしまいました……。

ここは仕切り直しで、「推しの恋」の感想は、次回に書きます……。