『それでも、やさしい恋をする』(ヨネダコウ著/大洋図書)
出口にハマりまして…
今回の感想は、『それでも、やさしい恋をする』(ヨネダコウ/大洋図書、以下『それでも~』)です。
こちらは、『どうしても触れたくない』(大洋図書、以下『どうしても~』)のスピンオフ作品。
実は『どうしても~』は、私が商業BLにハマるきっかけとなった1冊。
『どうしても~』の外川(ノンケ・攻)と嶋(ゲイ・受)の切ない恋物語にめちゃめちゃ感動し、その勢いでスピンオフの『それでも~』も買っちゃったわけです。
そしたら、「本編」以上に、こちらの「スピンオフ」にドハマりしちゃいまして…。
簡単なあらすじですが…
『どうしても~』で、主人公2人のキューピッド役(時々、外川から「当て馬」扱い)だった小野田良くん(28歳、ノンケ・攻)と、出口晴海くん(31歳、ゲイ・受)の恋物語です。
2人の出会いから、3年間の友人関係を経て、恋人同士になり、その後、ゲイとノンケゆえのギクシャクを経験しながら、さらに「いい関係」を築いていく様子が描かれています。
私が本編よりこっちにドハマりした理由は、まさに、本作の「受」、出口くんのカッコよさにメロメロになっちゃったから。
…というわけで、今回のテーマはこれです。
出口は「彼氏」向きではない?
出口は、とにかくカッコいいんです!(私基準ですが)
さわやか系の男の子顔といい、
カラッと明るく、ノリもいいのに、
中身はかなりドライって性格といい、
生粋のゲイで、しかもビッチで、
本命を一切つくらず、テキトーに
遊んでいるっていう爛れぶりといい、
私のツボすぎて、ホント、たまりません。💖
ちなみに、出口は、韓国の電子書店の「受」部門で1位を獲得したことがあるんだとか。
さすがです、出口くん!
でも、これだけ べた褒めしておいてナンですが。
ある時ふと、「この人、カッコいいけど『彼氏』としては微妙かも…」って思っちゃったんです。(男女の恋愛での「彼氏」という意味で)
なんでかっていうと、
「理想の彼氏」に求められそうな「男っぽさ」みたいなものが微妙に欠けている気がしたから。
たとえば…、
怒るとネチネチ責めてくる感じとか
嫉妬すると 相手を試すようなことをするとか
自分がやらかしておいて、
相手に逆ギレされると 涙ぐんだりとか。
これって「こじらせ女子」の専売特許じゃない?
で、こじらせ女子が求める「彼氏」は、こんな「ワタシ」を広い心で受け止めてくれるのが大前提なんじゃない?
となると、「こじらせ女子」的行動パターンの出口くんは 「彼氏」としてはどうなの?
…と、思ってしまったわけです。
「カッコいい受」に共通するのは…
でも、私がカッコいいと思う「受」キャラは、たいてい このタイプだったりします。
同じくヨネダ先生の『囀る鳥は羽ばたかない』の矢代しかり、
里つばめ先生の『俺が好きなど嗤わせる』の神谷しかり…。
(そもそもBL読者歴が浅いので、少ないサンプルでの話になりますが…)
「男」として、その姿形も、言動も、立ち居振舞いも、ため息が出るくらいカッコいいのに、なぜか「彼氏」としては微妙な人たち。
もしかして、男でも、女でもない、性別を超えた「カッコいい受」って属性があるってこと?
そんな仮説を立てて、「カッコいい受」たちの共通点を考えてみました。
そしたら、結構、あるある!
ざっとこんな感じ。
① イケメン
※美人系が条件。かわいい系はNG
② 淫乱、ビッチ(基本的にゲイ)
③ 実は乙女。本命には一途&うぶ
④ 本命には超絶不器用
でも器用なフリをする
⑤ こじらせている
(or こじらせていそう)
※深刻なトラウマがある場合も
「カッコいい受」の最後の決め手
これらがすべてそろっていると、私の中の「カッコいい受」センサーが敏感に察知。
(逆に、このうちの1つでも欠けていると、センサーは反応せず)
ただし、これらだけでは、まだ「カッコいい受・認定」とまではいきません。
そこにもう1つ、
⑥ 彼氏力あふれる攻の存在
ってのが加わって初めて、私の中で「カッコイイ受・認定」となるみたいなんです。
ちなみに、彼氏力というのは、昔風にいえば「白馬に乗った王子様」の役割をしっかり果たす力があるってイメージかな。
男気があったり、包容力があったり….。
まあ、具体的にどんな「力」を備えているかは、攻それぞれですが…。
こうした彼氏力を、攻たちが存分に発揮してくれることで、先述の①~⑤の要素がますます強化され、私の中で目が離せない存在になっていく気がします。
実際、『囀る~』の矢代が、私の中で「カッコいい受」となり、目が離せなくなったのは、7巻以降、百目鬼が惚れ惚れするくらいの「いい男」になって以降ですからね。
(それまでは、矢代よりも、久我や三角さんなど、脇役さんたちにばかりに目がいってました)
小野田の「彼氏力」、実はがすごかった
そして、『それでも~』の攻・小野田良くんの「彼氏力」もすごい!
正直、以前はそれほど、小野田を「男」としてカッコいいとは感じてなかったんですよね。
(見た目も「イケメン」って感じじゃないし)
でも、出口との関係性から、改めて小野田のキャラを見返してみると、実はすごく「いい男」でした!
まず、なんといっても包容力。
時々、「めんどくさい系の女子」になる出口に対して、ムカッとしたり、時には怒りを表に出すこともあります。
でも、毎回、いいタイミングで許してくれます。懐が深すぎです♪
そのあとの天然?対応も、ほほえましいんです。
ケンカを売った側の出口にとって、小野田のそうした対応は、気まずさを緩やかに解消してくれる感じで、ありがたいんだろうなぁ。
そもそも出口が小野田に恋心を抱いたのは、
「なんだろうなこいつ 俺とは全然違う 柔らかくてやさしい」
ですからね。
(『それでも、やさしい恋をする』ってタイトル、なるほどな~です)
小野田あっての出口のカッコよさ
小野田のこの包容力ややさしさがあるからこそ、出口は、普段世間に見せている「男っぽさ」を捨てて、素の乙女さや不器用さを自然に出せるんじゃないんかな。
そうした「不器用な乙女」の部分と、表向きの「カッコいい男」の部分とが相まって、男でもない、女でもない、なんか性別を超えた「色気」が出てるのかなって思うんです。
そして、それが、「カッコいい受」感につながっているのかな~って。
ということで、「かっこいい受」をつくるのには、「彼氏」次第?
って感じですかね。
(無理やりまとめました…💦)
出口と矢代は似た者同士?
あと、これは余談ですが…。
『囀る~』7巻以降の矢代って、どんどん出口に似てきている気がします。
百目鬼に対する「こじれ乙女」対応が、なんか出口とダブるんですよね。
(私はこれを「晴海ちゃん化」と呼んでいますが…)
そして、そんな矢代が、今、私にはめちゃめちゃ可愛くて……。💖
実際、ヨネダ先生の10周年記念本にある「モテ度グラフ!」のマトリックスを見ると、2人はほぼ左右対称の位置。(モテる度は同一。「モテたい(出口)⇔どうでもいい(矢代)」がほぼ真逆)
これを見たとき、おっ!とか思っちゃいましたよ。
基本的に似た者同士?
(どちらもB型みたいだし)
…で、次回は、この乙女化が止まらない矢代と、最近、男の色気が半端ない百目鬼について書こうと思っています。
百目鬼、セクシーすぎて、毎回、私はクラクラ~ですよ。
あんなにカッコよかったか?